Day and
Sunshine
太陽降り注ぐ日向路のサンシャイン電車 713系乗車記
取材日:平成14年1月2日
1月2日の朝11時。旭化成の企業城下町・延岡も正月休みで静かな雰囲気だ。工場の煙突から煙も出ていない。
しかし駅前は早めに帰省から戻る人、遅い帰省を取る人でそこそこ賑わっていた。
写真左:延岡の旭化成の工場、そのうちの1つ、レーヨン工場(他にも色々な工場があるらしい)。工場名が地名としても通用する旭化成の企業城下町だ。
写真右:宮崎交通レーヨン前バス停。市内バスの主要発着地でもある。ちなみに来たバスの行き先も「雷管」行きで、旭化成関連の工場だ。
さて、私はこの時九州内の特急グリーン車乗り放題となる「お年玉 九州乗り放題きっぷ(グリーン車用)」を持っていた。
すでに宮崎からの西鹿児島行き特急「きりしま」7号のグリーンを確保していた。
そのため前走りの特急「ひゅうが」3号指定席やその後の「にちりんシーガイア」3号グリーン車も乗れた。
しかし、「ひゅうが」は行き(4号)に乗ったし「にちりんシーガイア」はグリーン満席という。
「にちりん」指定でも良かったがこの際なので延岡11:24発の普通列車で移動することに。そこに現れたのはサンシャイン塗装の713系だ。
編成は前からクモハ712-901+クモハ713-901の2両(Lk901編成)。どちらも鹿児島総合車両所の所属だ。
写真左:713系外観、真っ赤な車体塗装が特徴的 写真中央:サンシャイン・宮崎空港行きの幕 写真右:サンシャイン車両ロゴ
宮崎空港からの快速列車として到着した列車が2番のりばにいたのだが、これが折り返し普通宮崎空港行きとなる。
発車7分ほど前にホームに入ったがすでに前の車両のクロス部は満席。後ろの車両はまだ空きがあったのでそちらのクロス部に座る。
発車直前になってそこそこ乗客も多くなったがそれでも空席が車端部ロング部を中心に残っている。そんな状況で発車。
終点宮崎空港までの各駅に停車していく。すぐ次の駅、南延岡に停車。
ここで降りる客もいたが乗ってくる客もいてそんなに変わらない状況か。
写真左:713系車端部ロングシート 写真右:713系大型荷物置き場
さて713系だが、国鉄時代に交流区間のローカル線用の電車として開発された。
デビュー当時の座席配置は47系気動車と同じセミクロスだった。
性能的には国鉄初となるサイリスタ位相制御方式電車で、回生ブレーキ付き。制御方式としては811系あたりの元となる。
しかし、コストの問題で試作車2両編成4編成8両で増備は打ち切られ、寝台電車改造の715系が登場することとなる。
デビュー当初からしばらくは長崎・佐世保線で活躍していたが、宮崎空港アクセス車両に抜擢されることに。
宮崎〜宮崎空港間は特急も料金不要で乗車できるようにしたため、普通列車も設備を合わせるために車内を改造して現在に至る。
塗装はクリーム色に緑の帯で登場し、JR民営化直後に九州標準色に。そして今回、サンシャイン特別仕様に塗り直された。
さてその713系の性能だが、かなり加減速性能がいい。宮崎地区は110km/h走行できるよう改良されているが、それに合った車両のようだ。
旭が丘からは立ち客も出だした。2両じゃ少ないのか・・・。日向市である程度降りるかと思ったが以外に乗り通している人も多い。
で、美々津あたりでずっと開いていた私の隣にも人が座ってきた。きっぷを買ってなかったようなので車内で購入していた。
行き先はどこか・・・と聞いていたがどうやら宮崎らしい。かなりの長距離需要もあるみたいだ。
しかし宮崎は車社会、バスの利用客も多いが延岡・日向から宮崎への直通バスがないので免許がない人はやむを得ず列車に乗るのだろう。
その美々津からは高架線が見える。高速道路はまだ未開業。有料道路もない。
実はこの高架線、リニアモーターカーの試験線。しかし、正月ということもあって試験は行われていないようだ。
もっとも開発の中心が山梨に移っているらしいのでこちらで試験はあまり行われていないかもしれないが・・・。
高鍋に到着する直前、写真撮影で有名な川を渡り高鍋へ。ここからも乗客が多い。
宮崎までは30分、もう宮崎近郊とでもいう地域だろう。しかし、景色は宮崎平野の平坦な風景が続く。
佐土原を過ぎ、宮崎市内に入って宮崎神宮で降りる客もいる。初詣の客と思われる。
この宮崎神宮は完全な住宅地。その住宅地の中から高架線に入り、12時55分、宮崎駅に到着。宮崎到着時点ではかなりの客がいた。
列車はこのまま宮崎空港行きとなる。が、前述の通り「きりしま」7号に乗り換えのため宮崎でこの列車とお別れ。
宮崎を過ぎると車内は一気に閑散となった・・・昼間ということもあって空港方面へ行く客は少ない。
おまけ:宮崎駅自動販売機横の表記
「宮崎空港まで340円 特急券なしで乗車できます」