2004年オフ会旅行 サブ企画
信濃大町から富山まで~長野側からのアルペンルート走破レポ
8月の中旬というのに信濃大町の朝は少し冷えるほど。そんな状況でムーンライト信州から降り改札へ。
改札口ではアルペンルートの乗車券を発売していたがすでに扇沢から先の乗車券は購入済み。
とりあえずバスのりばを探す。
のりばは駅前のロータリーの中にあり、乗車券うりばもそこにあった。
「扇沢まで」と窓口のおばちゃんに伝えるとバス乗車券にしては珍しい硬券。1,300円ほど支払い切符をもらうとバスは程なくやってきた。
扇沢からのトロリーバスのこの日の始発は7時30分なので6時30分に扇沢を出るバスまで余裕がある・・・と思ったがどうやら違うらしい。
発車時刻を運転手に尋ねると5時35分の便だそうな。ちなみにこの便は松本電鉄担当(川中島バス、南アルプス交通も入る)。
写真左:トップバッター・扇沢行きバス 写真右:バス乗車券。バス乗車券で硬券は珍しい!?
"Highland Express"と車体に書かれた観光タイプのバスに乗り込む。10人ぐらいが乗っただろうか。
5時35分、定刻に信濃大町の駅を出発。この時間帯は車が少なくバスは快調に山へと向かう。
途中から山道にかかったのか急カーブが連続、しかしバスは快調に進む。そんな状態なのでこちらもついウトウト・・・。
扇沢駅に到着。6時20分の定刻。時間が早すぎたのか人の姿はまばら。
しかし次第に観光バスやマイカーで扇沢まで来た人も加わりきっぷうりばの周辺は行列となる。
とりあえず乗車券発売(および引換)開始は7時なのでそれまで待つしかない。この時間が結構長く感じた。
写真左端・中央左:扇沢駅 写真中央右:乗車券発売開始時刻を知らせる案内板 写真右端:ルートガイド、ガルベセットは時価だそうで・・・。
7時に窓口が開きクーポン券を乗車券に引き換え。この1枚で富山まで通しとか。まぁその都度きっぷを買い足すよりはらくだからいいけど。
そのまま上の改札前へ。ここでもしばらく待つことに。この先、食事にありつけそうにないのでここで朝食。
山菜そば600円。場所柄値段が高いような気もするが・・・。
写真左:扇沢駅改札 写真中央:関西電力トロリーバス 写真右:2004年はこの区間のトロリーバスの営業を開始して40周年でした
7時20分過ぎに改札開始。乗車券をバーコードリーダーにかざしてチェックするちょっと変わった方法を採用している。
改札を抜けバスに乗車。バスは6台編成で4台目に乗車する。車体だけ見れば外観は普通のバスと特に変わった様子はない。
とりあえずほぼ満席になったところで発車。1台ずつ少し間隔を開けて運行する。
写真:扇沢から富山までの乗車券。バーコードを読み取って改札を行う(富山地鉄は提示のみ)。
で、発車して音がやたらと静か。普通のバスだとエンジン音があって少しうるさいのだがトロリーバスはモーター音がするだけ。
発車して坂を上るとすぐにトンネルの入口。ここから黒部ダムまでは15分。終点までトンネルの中を走ることになる。
7時45分、黒部湖駅に到着。ここはトンネルの中なのでダム湖畔までは階段を上って出ることになる。
大きな荷物を持っての移動は少し苦しいが階段を抜けダムの展望台に到着するとそこはまさに絶景が待っていた―――
写真:黒部ダムの放水(展望台から)
黒部ダムは高度成長時代の昭和38年に完成した当時は世界でも有数のダム。
黒部の冬場の過酷な自然と戦いつつわずか8年で完成したこのダムの建設過程は映画にもなったりドキュメンタリーで紹介されたり。
建設過程において百何十人という犠牲者も生じつつ・・・ちなみに慰霊碑もダムサイドにあり。
写真左:黒部の湧水(トンネル工事した際に出た湧き水だったかな?) 写真中央:黒部湖駅入口、夜間や冬場は門が閉鎖される? 写真右:黒部湖駅
展望台で雄大な風景をしばらく眺めて階段を降りダムの築堤の上を歩く。そして反対側に到達してトンネルの中の黒部湖駅に到着。
ここから黒部平まではケーブルカーで移動だが次のロープウェイの整理券を配り駅係員が説明していた。
その説明はかなりコミカルなもので周囲にいた人の笑いを誘ってた。最後は黒部の写真集発売で締め。
そうこうするうちにケーブルが到着、1両編成のケーブル車内はすぐに満杯となる。
写真左:黒部ケーブル。全線がトンネルの中。 写真中央:ロープウェイの整理券 写真右:黒部平駅から望む立山連峰
黒部湖駅を発車、トンネル内をずーっと走るため景色は堪能できない。5分ほどで黒部平駅に到着。
ここでロープウェイに乗り換えだが指定された時間まで余裕がある。展望台からダムを眺めつつ時間を潰す。
案内放送で該当の整理券番号を持った乗客は乗車口に集まってください、とあったのが9時20分。やってきたゴンドラに乗り込む。
先程のケーブルと違い今度は天空上を走るため立山連峰や黒部ダムの景色が抜群に綺麗。
写真左:ロープウェイ概略図 写真中央:大観望駅からの黒部ダムの風景 写真右:立山トロリーバス
7分ほどで大観望駅に到着。ここは絶壁の上に作られた駅で外に出ることは不可能。展望台からの景色を楽しむ程度しかできない。
ここでトロリーバスに乗り換え。ここは以前は普通のバスだったが平成8年に電化されトロリーバス化された。
室堂までの間を立山の下に貫かれたトンネルの中を走るため環境に配慮しての電化だとか。
9時45分発のバスに乗り込む。時間帯的に乗客が少ないのか2台仕立て。しかもさほど混雑してない。
写真左:日本最高地点の駅、室堂 写真中央:室堂駅の標高 写真右:そんな高さなので気圧の関係上ビールを購入するときは注意・・・
15分ほどで室堂に到着。ここは標高2,450mの地点にある「駅」で駅としては日本最高地点になるそうだ。
そのためビールの自動販売機にも「気圧の関係で・・・」という注意書きがあった。もうここは高山地帯だ。
実際駅舎の外に出てみるが植生も平地と違い木が1本もない。背丈の低い高山植物が目立つようだ。
そして駅を出てすぐの場所には立山をバックに写真撮影できる場所も。その横には立山の湧き水も。
写真左端:室堂ターミナル近くのみくりが池 写真中央左:日本で一番標高の高い温泉、みくりが池温泉 写真中央右:立山の湧き水 写真右端:立山の撮影スポット
室堂でゆっくりしすぎたのか乗る予定のバスの時刻を過ぎてたようだ。とりあえずターミナルの中で次のバスを待つ。
しかしこの時間帯になると各地から団体旅行でアルペンルートを訪れてる人でごったがえしてる。
そんな中を団体旅行の添乗員さんたちは忙しく動いてる。添乗員さんたちは本当にご苦労様です。
ともかく団体は団体でバスを1台ずつ取ってもらってるようでその手配もあるようだが・・・。
個人旅行の私は11時20分発のバスに乗車。車両は環境に優しいハイブリッドバスとのこと。
標高2,450mの室堂から一気に977mの美女平まで一気に下る。途中景色のいい場所数箇所でゆっくり走り景色を楽しませてくれる。
特に称名滝は350mと日本一の落差を誇る滝。
写真左:標高が高い室堂近辺では雲の上となる場所も 写真中央:称名滝 写真右:高原バス美女平到着
50分かけて美女平に到着。ここまで来ると杉林が目立ってくる。次に乗るのはケーブルカーだがここでも整理券が配られ乗車待ちとなる。
それでも10分か20分程度で乗車できると案内があったのでさほどの混雑でもなかったのだろう。
さてケーブルに乗り込むのだが大きな荷物はこちらへ、と係員が案内するので大きな鞄を預けると前の方に荷物を置いている。
どうやら貨物輸送もこのケーブルカーで行うようでそのためのフラットカーが連結されておりそれを利用して、とか。
昔はバスも運んでたらしいが今でもそれをやってるのかどうかは不明・・・しかし正直びっくり。
7分で立山に到着。ここまでくると黒部や室堂あたりの涼しさはどこへやら。夏のうだるような暑さが戻ってきた。
ケーブルの駅を出て富山地鉄の駅に行くとすぐに電車はあった。が、発車間際で結構乗っていたので見送り。
1時間ほど駅の待合室で待機し次の列車で富山に向かうことに。その間富山地鉄の時刻表も購入。
富山からの列車が到着し改札が発車30分ほど前に開始されホームへ。停車していたのは元京阪3000系の10030系だ。
京阪時代はテレビカーとして人気を博したこの車両、ワンマン改造時にテレビが撤去されスピーカーが残ってるのが・・・。
ちなみに座席は扉間のみ転換クロスシートが残ってる。このあたりは京阪時代そのまま、といった感じなのだろうか。
車内で待機してると次の列車(アルペン特急宇奈月温泉行き)の車両が駅に到着。こちらは元西武の5000系のようだ。
車内は特に見なかったがこちらもほぼ原型のままなのだろうか?もっとも西武時代にこの車両に乗ったことはないのだがどうなのだろう?
後続のケーブルから流れてきた乗客も取り込み車内はほぼ満席に。そんな状態の中13時33分に立山を発車。
各駅停車で富山まで行くのだが・・・次駅までの間に完全に眠りこけてしまい気がつくと富山到着直前。
そして電車は電鉄富山のホームに滑り込む。荷物を持って改札に出るがきっぷは持ち帰ってもいいとのことらしい。
どうもアルペンルートの観光記念、ということだろうか。
アルペンルートはここまで。片道で1万円ほどかかりますが景色は抜群。「また行きたい!」って思ってしまうほど。
果たして次にここに行けるのはいつのことやら・・・。